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原油価格下落で円安の賃金下落効果が明らかに

統計学特集が目当てで買った週刊ダイヤモンドに、面白い記事がありました。

簡単にまとめます。
(簡単にまとまりませんでした…)

・2014年8月に100ドル/バレルだった原油価格が、2015年1月には40ドル台に下がった。
・日本の原油輸入額は14兆円/年だったので、7兆円の輸入減になる。(消費税率3%の税収)
・アメリカではガソリン価格が昨年夏の3.7ドルから2.2ドルまで、約6割の水準に下がった。
・日本においては、159円から130円程度の下落。理由は70円/ℓの税。(アメリカはおよそ本体の2%未満)

・為替レートは昨年夏の1ドル100円から、120円の円安へ。
・ガソリン本体の価格は、80円から60円、約6割、アメリカと同じ水準に低下している。
・日本で生活していても、ドルベースで給料をもらっている人なら、本体価格がアメリカ並みに低下しているのを享受できる。

「日本人がそうした利益を享受できないのは、給料が下がっているからだ」と解釈できる

〈数値例〉

アメリカの給料 16ドル/時
日本の給料 1600円/時

昨年夏、ガソリン本体10ℓの価格が日本で800円、アメリカで8ドルだったとすると、それを買うために、日本でもアメリカでも30分働く必要があった。

2015年1月においては、アメリカ人は約20分働けばよい。しかし日本人は約23分働く必要がある。

日本人の給料はドルベースで見ると、16ドル/時から約13ドル、8割ほどの水準に引き下げられた。

「円安は日本人の給与を引き下げることになる」

・日本人が給与下落に気付かないのは、国内の物価もドルベースで同じように下がっているから。
・正確に言うと、物価は給料ほど下がらない。従って少しは貧しくなる。

「これが、実質賃金が下落している。ということだ。」

・このプロセスで得をするのは輸出業者だが、企業努力の結果でなく、賃金が自動的に安くなってくれたから利益が増えたのだ。
・労働者は、ドルベースの給与が一定になるように賃上げを求めてもよい。
つまり2割の引き上げを求めてもよい。
・これが実現したら、他の物価も2割上がるだろう。

以上のことは、

落下するエレベーターの中に閉じ込められた鳥

に喩えることができる。

外界を基準にすれば鳥も落ちているのだが、エレベーターの外が見えないので、それに気付かない。
日本人も自分が海外旅行をしないと自分が貧しくなっていることに気付かない。


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