(2020年4月5日)
コロナウイルスの感染が拡大している都市圏を対象に、「密接」が最大のリスクであると考えます。
その背景と理由を以下に整理してみます。
- 都市圏における感染者数増加
- 身近となるコロナウイルス感染者
- 飛沫感染のリスク
- 拡大初期における感染者の傾向
- 「密接」を回避する
- 誰との密接が危険なのか?
- 「密接」x 「時間」x 「誰と」の観点で注意が必要な環境
- まとめ
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都市圏における感染者数増加
4月4日時点で、国内の感染者数は3,497人、東京においては897人です。
国内感染者3497人(クルーズ船除く)新型コロナウイルス | NHKニュース
東京の人口が約1,400万人なので、約15,000人に1人と、数値的には警戒すべき状況とは思えませんが、軽症・無症状の方々の検査は行われていないと考えると、東京を中心とした都市圏においては公表値より多くの感染者が存在している前提でいるべきかと思います。
身近となるコロナウイルス感染者
現在の東京都における感染者数が約900人である場合には、感染者は約15,000万人に1人ですが、仮に感染者数が10,000人に到達した場合は1,400人に1人となります。
ニューヨーク州の人口は約1,900万人で、現在約53,000人の方が感染者として確認されており、約350人に1人が感染している状態です。
東京都においては、約40,000人の方が感染した場合、ニューヨーク州と同等の状態になります。
飛沫感染のリスク
科学的根拠を示す情報は入手していませんが、国内においては接触感染より飛沫感染による感染数が多いように思われます。
過去の感染例
・パーティ、カジノ、接客(クルーズ船)
・宴会、カラオケ(屋形船)
・キャバクラ等、夜の接客業
・ライブハウス
・スポーツジム
・飲食店や自宅での会食
感染の特徴
・近距離での会話、接客
・近距離での発声、激しい呼吸
・一部、接触感染も想定される
拡大初期における感染者の傾向
飛沫感染が多いという前提で考えると、感染者がまだ少ない状況で、コロナウイルスに感染するケースは以下に二分されるかと思います。
- 普段から多くの人に会う
- 普段多くの人と会わないが偶然に感染者と接触してしまう
1. に関しては、仕事で海外に行く機会が多い方、政治家、組織のトップや外部との交流が多い仕事に従事されている方等を想像できます。
国内ですと、サッカー協会の会長、一部の芸能人やスポーツ選手に限定されますが、国外ですと、王室、政治家、トップスター、トップスポーツ選手と、「え?」と思うような感染例を確認しています。
特に英国においては、チャールズ皇太子とジョンソン首相が感染しており、世界中に大きな衝撃が走りました。
「密接」を回避する
現在も今後も、「密接」による飛沫感染リスクは高いという認識を持った方が良いと感じます。
「密閉」「密集」x 「密接」は、言わずもがなリスク最大の環境なので、絶対に避けるべきです。
(厚労省)新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針
令和2年 3 月 28 日 新型コロナウイルス感染症対策本部決定
飛沫感染のリスクが高いことを前提とすると、「密接」の単体でも大きなリスクがあると考えられますので、十分の注意が必要と考えます。
また、密接している時間も感染確率に繋がる因子だと思いますので、「密接」x 「時間」の観点で、行動制限、管理を行った方がよいと思います。
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誰との密接が危険なのか?
リスク発生確率という観点で、「誰と密接するのか?」もポイントになります。
当然ですが、体調が悪い人・悪そうな人との接触は避けるべきです。また、上記に挙げた「普段から多くの人と会う人たち」、即ち会食に参加する機会が多い人、パーティ等が好きな人との接触には通常以上のリスクが想定されます。
逆に考えると、インドア派の人同士がたまに会って食事するようなケースにおいては、リスクが少ないと言えます。
現在、国内における不安の元は、「誰が感染しているか分からない」ことです。誰でも簡易検査を行うことができて、自分の健康状態を公開し、店舗への入店時のチェックを行う仕組みがあると便利ですね。
そう考えると一斉に批判を浴びた、ソフトバンク孫正義さんの案は正しかったのかもしれません。政府、企業、個人の施策やアイデアに対して、短絡的な批評を行うのではなく、有効な施策は先見性のある方々に任せるのが得策かもしれません。
感染リスク表示アプリ、中国で広まる 入館や入店に必要 [新型肺炎・コロナウイルス]:朝日新聞デジタル
「密接」x 「時間」x 「誰と」の観点で注意が必要な環境
Photo by Priscilla Du Preez on Unsplash
対面、近距離での一定時間以上の会話や接客には、飛沫感染のリスクが伴います。従業員以外という前提で考えると、現在、下記のような環境にリスクがあることが考えられます。
- レストラン、居酒屋等、飲食店での会食やカラオケ
- キャバクラや性風俗等、濃厚な接触
- ライブハウス、クラブ等、近距離での接触
- 自宅パーティ含む、飲食を伴う集まり
下記、「家族のだんらん」まで警戒とのことで、終末感漂いますが、間違ってはいないですね...
一方で、会社での会議や、学校や塾の授業等、マスク着用が徹底されている環境の場合、リスクが軽減することが想定されますが、飲食を伴う場合は、マスクを着用しない、または外すことが多くなりますので、リスクが高いと考えられます。
「誰と会うか?」という観点においては、まず多くの人と会うことにより、コロナウイルスの感染者と遭遇する可能性は高まります。また、"多くの人と会っている人”は、比較的、感染している可能性が高い母集団であることが推測されます。
ニューヨーク州の状況を例にすると、350人と接触したら、その中に1人の感染者がいる計算になります。接触する母集団が、上記のようなハイリスク群であった場合、感染者と遭遇する確率は1/350以上になることが想定されます。
◆横浜市立市民病院の研修医、20人で会食やカラオケ 神奈川県20人感染
◇岡山 京産大卒業生の感染確認 友人と会食 感染は県内4人目
◆「参加すべきでなかった」C大阪・GK永石拓海がコロナ陽性 会食相手の感染判明し検査
◆埼玉県の大野元裕知事は、飲食店だけではなく多くの人が集まるホームパーティーも控えるよう呼びかけました
◇東京・大阪は10人以上の集会、家族以外と会食自粛を-専門家会議
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まとめ
コロナウイルスの感染拡大により、旅行、観光、ショッピング、夜遊びの機会を失った私たちですが、外食・会食も同様にリスクがあり、家族団欒にまでリスクの懸念が指摘される状態となってしまいました。
特に対面、近い距離での外食・会食に飛沫感染のリスクがあるのは間違い無いと思います。また、感染確率という観点では、誰と会うのか?という点も関係しそうです。
今後、私たち一般消費者としては、テイクアウトやUber Eats・宅配をうまく活用できればと思いますが、経営者、従業員への十分な手当てが速やかに検討、実施されることを願います。
最後に、下の記事を見つけました。
一部、低リスクのアクティビティがフィーチャーされていることはささやかな救いであるものの、リスク分類の切り口や分類の基準がよくわからず、主張の一貫性も無いように感じます。また、パンや惣菜がむき出しで陳列されていることが問題とされていますので、経口感染を示唆しているということでしょうか...?