「コロナウイルスの再感染は致死的」という衝撃的な情報が発信されていますが、情報の確かさやその他の不安が高まる情報をまとめました。(2020年3月1日)
※すでに不安でたまらない方は閲覧をお控えください。
Photo by Christian Erfurt on Unsplash
話の発端となった内科医師の動画
新型コロナウイルスの再燃は抗体依存性感染増強現象(ADE)にて致死的
医師動画を批判するBuzzFeedの記事
「新型コロナウイルスの再感染は致死的」医師の動画に批判、専門家「信用しないで」
新型肺炎を引き起こすコロナウイルス(COVID-19)をめぐって「新型コロナウイルスの再感染は致死的」と主張する現役医師の動画が拡散。感染症の専門家で神戸大学教授の岩田健太郎医師は「そういう事例の報告はない」と注意を呼びかけている。
この記事における論点は、「再感染が確認されていないこと」、「根拠がないこと」ですが、後者については引用論文について言及されていますが、現時点では論文化できるような期間及び例数が不足しているような気がします。
――動画の説明は「中国の新型コロナウイルスを治療したドクター」の話が根拠になっています。
「誰かが言っている」というのは、まったく愚にもつかない話。引用論文が明示されていないものは、一切信用しない方がいいです。
――こうした医療情報に接する際に、視聴者・読者が注意すべきことは。
バズワードに引っ張られない方がいいです。みなさん「免疫力」とかの言葉に弱いので。
次に「再感染」について確認してみます。
再感染は確認されていない?
中国や大阪の再感染情報は、「再感染」ではなく「再燃」とのこと...
仮に再感染が確認できていないとしたら、再感染のリスクは「不明」ということで、それはそれで怖いです。
不安は「悪」なのか?
トイレットペーパーの不足等、悪意を持ってデマを流すことは「悪」だと思いますが、「確からしさ」を誰も知らない状況においては、不安を持つこと自体は、自分を守るための人間の防衛本能だという主張は納得できます。
逆に、不安を煽ること、パニックを導くような言動や情報発信を行うことは「悪」である。というような主張に関しては少し疑問を感じます。
根拠の無い楽観視こそ、リスクが顕在化したときに大きな後悔をもたらす最悪の思考であると言えると思います。
これについては、不確実性とリスク管理の名著である「ブラック・スワン―不確実性とリスクの本質」を書いた、ナシーム・ニコラス・タレブ氏の提言記事をご覧ください。
タレブ氏は、「不確実なときはパニックせよ」と言っています。
また、勝間和代さんのYoutube動画も参考になります。
勝間和代の、私達がネガティブな情報に過剰反応をする理由を知れば、少し冷静になれます
日本政府の対応について、「違和感」を感じている武田邦彦先生の動画も、根拠は無いものの、説得力があり不安を感じます。
武田先生は、現在日本においてコロナウイルス感染者数が200人程度だという流行が軽微な状況で、3月から全国の小中高へ一斉休校を要請したことや、その休校期間が長いこと等が奇妙であり、大きい矛盾があり、「何かある...」と仰っています。(インフルエンザの感染者数は年間 約1000万人)
コロナウイルス 現状の事実確認
安心な要素
コロナウイルスに関する安心できる要素です。
事実かは不明です。
- 世界で感染が爆発的に拡大していない
- 中国の感染者数の増加率は下がっている
- 日本の感染者数は少ない
- 重症化する確率はさほど高くない
不安な要素
コロナウイルスに関する不安な要素です。
こちらは根拠がありません。
- 日本やアメリカ等、実は感染者が多いかもしれない
- 再感染に致死的リスクがあるかもしれない
- 再感染自体が確認されていない
何を信じれば良いのか?
「誰も答えを知らない」のが現状だと思います。ここまでの整理において、専門家は主に以下2通りの方法で主張をします。
1. 過去データや再現性を根拠とする主張
上記、BuzzFeedの記事がこれです。過去の論文や、過去に発生したウイルスの情報等を根拠にしています。
これが正に「ブラック・スワン」の例えに当たります。
2. 不十分なデータに基づく仮説
上記の内科医師の動画や、武田先生の動画はこれに当たるでしょうか。
(武田先生の場合は少し直観的ですが)
ただ今回は「新型ウイルス」の発生を通じた、不確実性・リスクの話なので、私はタレブ氏の主張を信じます。
不安への対策
「何が正しいかわからない」という状態が不安を生みます。残念ながらこの状態は続きます。なぜなら新型ウイルスなので、(自然界から発生したものであれば)誰も正しい答えは知りません。
上手に不安と付き合っていく方法を自分で見つけていくこともポイントになってくると思います。上記の勝間和代さんの動画も参考になりますが、以下もご参考になさってください。